わたしのまゆげ
わたしの父は、まゆげが太くて濃い。
母は、細くて薄い。
妹のまゆげは、母に似た。
わたしのまゆげは、父に似た。
抜いても抜いても抜いても抜いても
粘り強く、しぶとく
何度も生えかわり続けるわたしのまゆげ。
何度も奥さんを変えて子どもを作っている父のように、生命力に満ちあふれた、その太さ。
わたしの呪いなんて弾き飛ばしてしまう勢いで元気に生えてくるそいつを
わたしは一本一本丁寧に抜いていく。
いつかわたしが、歳をとったら
きっと毛根が尽きる日がやってくる。
その日を夢見て、今日もわたしは呪いをかけるのだ。
今度こそ二度と生えてくんなよクソが。と。