全員降りてほしい


満員電車でよく思う。

"次の駅で全員降りてほしい。"

確率的にはゼロではないはずだ。

それなのに、現実には、わたしの立っている目の前に座っているおじさん一人すら降りてくれない。本当に腹立たしい。

それどころか、そのおじさんの両隣の席が空き、わたしの両脇に立っていたサラリーマンたちがそそくさと座ったりなんかする。やり場のない怒りで咄嗟に白目を剥きそうになる。

モンストをしているとぼけたおじさんの顔を指差して
「おまえも降りろよ!!!!!!」と叫びたくなったりもする。
まあ実際にそんなことを叫べば間違いなくおじさんは席を譲ってくれるだろう。それどころか、わたしの周辺一帯にいた人々がスーッと波のように引いていくはずだ。

でもわたしはそんなことはしない。
なぜなら、どこに会社の同僚がいるか分からないし、バカな学生が動画を撮ってツイッターに載せて炎上したりするかもしれないし、

それに、疲れているのは自分だけじゃないからだ。
お疲れ様、モンストおじさん。

というわけで、月火水木金、頑張って働いたサラリーマンたちに乾杯。
年末まであともう一踏ん張り。